一般社団法人 宮大工養成塾

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西大寺観音院裸祭りの宝木棚作成プロジェクト#01

西大寺はだか祭り

西大寺裸祭りとは、日本三大奇祭のひとつとされており、国指定重要無形民俗文化財に指定されています。このはだか祭りを会陽(えよう)といい、例年2月の第三土曜日に執り行われます。

紙本著色金陵山古本縁起

裸祭りは、浄暗のもと万余の裸群が犇めく中、本堂の御福窓から山主により宝木という棒が投下され、我こそは福男にと争奪戦が展開されます。この絵画からは、昔も賑わっていた事がわかります。

境内に犇めく裸の集団

境内を見回すと、裸の群衆が!!2月の極寒の中、宝木を求めて男たちが集まります。棒取ゲームと思っている貴方は、少々甘いです。この群衆の中で倒れようものなら、、、人の渦に巻き込まれようものなら、大けがをしてしまいます。もしもの時は、消防団の方々が救出に来てくれるそうですが、消防団の方も命懸けです。

宝木とは

この写真が宝木になります。両手で上下に握ると少し出るくらいの大きさと言われています。この宝木は、メインスポンサーである祝主から西大寺観音院の本堂厨子内で預かり、毎年御祈祷する事になっています。つまり、毎年スポンサーが異なるため、宝木がどんどん増えていくという事です。現在は本堂厨子も大きさに限りがありますので宝木で一杯になっているそうです。厨子は御本尊様をお祀りしていますので、地震などで宝木が落下し御本尊様を傷つけてしまってはいけないので、この度、本堂背面側に宝木棚を作り、そこに宝木をお祀りすることになりました。

このプロジェクトに指名された人物とは??

宮大工養成塾 塾生 下田君

東京都出身
お城好きの母親と訪れた姫路城にて、木組みの模型に触れたことをキッカケに宮大工を志す。中学卒業後に宮大工養成塾の門を叩き修行に入るが、家庭の不幸により、修行を断念しなければならない状態に・・・。その後、とある番組をキッカケにチャンスを掴む

受験生版タイガーファンディングに出演

藁をもすがる気持ちで出演した受験生版タイガーファンディング、結果は本編をみて頂くとして、彼にとって大きな機会となったことはいうまでもありません。両親の不幸がある前は、気付かなかった事も今の彼は見えている世界が違うのではないかと思います。自分がこの世にいる事、今の生活を送れている事、そして応援してくれる人がいるという事。いつの日か、彼も誰かの力になれる日がくるはずです。そのために、日々修行に打ち込む毎日。携帯電話はありません。本もありません。将来に大きな事を成し遂げたいのであれば、目先の欲を捨てて、将来のために投資をすべし。その教えを彼は純粋に受け入れて修行に励んでいます。

チャンスが舞い込む

西大寺観音院 坪井住職

たまたま受験生版タイガーファンディングをみていた坪井住職が下田君のひたむきに頑張る姿を見て、今回の宝木棚の制作を下田君に携われないか?とお電話を頂きました。即座に岡山に出向き、今回のプロジェクトをさせて頂く形になりました。

実は、金剛組時代に御縁があり

牛玉所殿大修復事業

塾頭の金田が金剛組に勤めている時、最後の現場が西大寺観音院牛玉所殿大修復事業。この現場で、社寺建築の魅力に取りつかれてしまった私。この機会がなければ、今回のプロジェクトの御縁もなかったかもしれません。その時からお世話になっており、この度も感謝申し上げます。

ひとまず

坪井住職の御厚意により、チャンスを頂いた下田くん。彼の今の心境は?果てして彼にこのプロジェクトが成し遂げられるのだろうか?次の記事では今回のプロジェクトについて詳しく踏み込んで行こうと思います。

続く