宮大工を志す若者は、新卒であれば中学校卒・高校卒・大学卒になるので、15歳~22歳くらいの年齢の子が集まります。
大卒は、おいといたとしても、まだまだ子供です。これから、大人になっていく過渡期になるわけです。
多くの子は、失敗をさせてもらえずに、現在に至ります。
それだけ多くのシールドが子供たちを覆っています。
社会にでるという事は、そのシールドが一気に外れて、ボコボコにされるわけです。
今どきの若いやつは、、、。どの年代の人たちも、この言葉を耳にしたと思います。
今どきの若いやつは、、、だった人が、今は上の立場になり、今どきの若者に、同じことをいっている。
反論するならば、昔のおっさんは、、、になるのでしょうか^^
※間違ってもこのような反論はしないでください。
良い結果は待ってませんので^^
さて、なぜ、今どきの若いやつは。。。という言葉が幾年にも渡りバイブルになるのか。
それは、子供たちに責任がないからです。
というのは、社会がそのように教育している結果が、今どきの若いやつは。になるのです。
つまり、いつの時代も、社会が変化しているので、必ずこの言葉が出現します。
30年のスパンでみた場合、今、上の人達の社会というのは近所の人や学校の先生もある程度の失敗をさせてくれて、失敗から学ぶスタイル。人気TVでいえばスクールウォーズのような泥臭いやつです。
試合に負けているのに、ヘラヘラしている学生。実は、学生は、心の中で悔しがっていた。
だけども、失敗を許してくれない社会があり、子供たちは、自分の心を隠すためにヘラヘラして笑ってごまかす。
そんな彼らの上っ面だけの姿をみた先生が、鬼説教をし、体罰を講じる事により、子供たちを目覚めさせます。※今は体罰は駄目
子供たちは、ある意味素直だと思います。しかし、親の顔や先生の顔を気にしながらも仮面をかぶっている。
そんな仮面を脱ぐ事ができたのも、失敗を認める事ができたからではないでしょうか。
宮大工養成塾というプロの宮大工になるための学校をしていますが、本当に子供って素直で、大人に気を使っているんだなぁとつくづく思います。けれども、そんな素直さは、本当の素直さではない。
仮面を被った虚像でしかなく、本質を追求するのであれば、泥臭くても素直である事に信念を持つことと思います。
本気ですれば、失敗してもそれを経験とする事ができます。しかし、中途半端では、ただの失敗におわります。
失敗して恥ずかしい気持ち、嘘をついてしまって後戻りできない格好悪さ、知ったかぶりがバレるのが嫌だ。
それは自分の中にあるクダらないプライドを守るためでしかありません。
自分が成長したいと思うのであれば、恥を忍んで、素直になるべきです。
自分がどれだけ本気でやっているのか、、、は、自分自身がよくわかると思います。
自分よりも努力している人間を目の前にした時や、自分の実力以上の事がやってきた場合に、
潜在的に、「自分は努力してこなかったから出来ない、負ける」と脳が思ってしまいます。
もうこれ以上努力のしようがないというくらいまでしていると、それが自信になり、そして、なんとかしてやろうと知恵が生まれます。
それには他人は関係なく、自分次第なのです。
修行という環境は、同期や先輩や後輩がいます。
現実的な話をすれば、ライバルなんです。
なので、塾では友達をつくりにきているようでは絶対に上手にならないといいます。
友達ではなく、ライバルです。ライバルに勝つために、何をすべきか?それを考えるのが修行の場です。
そして、ライバルとしてお互いを承認できるまでなったときに、それは仲間になります。
修行の場において、友達とは、傷をなめ合う負け組か、足の引っ張り合いをしている連中のことをいいます。
なぜならば、勝負の世界において、友達であるならば勝ち負けをつける事ができないからです。
プロの世界っていうのは、そんな甘いもんじゃないんです。
仲間をつくりたいのであれば、ライバルとして切磋琢磨すればいい。
そのためには、まずは自分から学生気分を脱却し、大人にならなければならない。
そんな事を、この前まで学生だった子に本気でいうんですから、酷な話です。
15歳や18歳の子に、こんな事をいっていいのだろうか?可愛そうだなぁ。
自分がその年頃の時に、、、と考えたら、、、と思いますが、
プロを目指している子なので、こっちが真剣にならないと子供とはいえ、礼儀に反すると思うわけです。
こんな事をいいながら、5期生は1年が経過しました。
昨年の入塾式の時と比べると、顔つきが変わってきています。
後輩が入ってきたら、先輩ずらをしている姿をみると、成長しているなぁと思います。
「こうしないとだめだよ」とか、後輩に偉そうにいっているんですけども^^
話がまとまりませんが、今回私がいいたいのは、
「失敗してもいいんじゃないですか。」という事です。
失敗をさせないと学べるものも学べません。経験できるものも経験できません。
親や社会が失敗させないのであれば、いつまで経っても子供たちは成長できません。
30年後、「今どきの若いやつは、、、」といえる宮大工に育てるために、本気でできる環境を提供していきます。