宮大工とは、神社仏閣の建築に特化した大工になります。大工には、他にも種類があり、特化した内容によりカテゴライズされます。
宮大工(みやだいく) | 神社仏閣をつくる大工 |
家大工(やだいく) | 住宅をつくる大工 |
船大工(ふなだいく) | 船をつくる大工 |
壇尻大工(だんじりだいく) | 「だんじり」をつくる大工 |
数寄屋大工(すきやだいく) | 茶室をつくる大工 |
その他 | 建具・家具・型枠・造作など |
よく巷では、宮大工は大工の中の最高峰であると勘違いされていますが、表1にあるように、技術のレベルによって分類されているわけではなくて、専門性によって分類されている事を理解しましょう。
同じ大工なので、基本的に使う道具は鑿・鉋など、共通している部分はありますが、その専門性における作業効率などにより、使う道具も違います。宮大工の場合は、大きな木材・曲線のある部材を加工しますので、鑿であれば、首の長い鑿があったり、曲線を加工する丸鑿があったりします。
神社仏閣の建築するためには、その建物の用途を理解して仕事をする必要があります。住宅でいえば、居間は団欒する空間、ダイニングは、食べる空間、キッチンは、調理する空間とあるように、神社仏閣の場合、建物の用途に応じて、求められる要素が違います。そのためにも、技術以外に神社仏閣で必要な作法など、他の大工に比べると、勉強する項目が多いかもしれません。独立するまでに10年掛かるといわれるのは、そのためです。建築知識・宗教史・作法・業界の常識など、勉強することがたくさんありますね。