一般社団法人 宮大工養成塾

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宮大工養成塾生徒への取材①〜受け継がれる想い〜

塾生について
2021.10.17
東京都出身の下田君

三重県伊勢市にある薬師寺。そこでは、宮大工養成塾大阪本校が薬師寺伽藍大修復事業に参加しており、取材をさせてもらうことに。宮大工養成塾とは、神社仏閣・城郭の建築を造る職人である宮大工を養成する塾です。そんな宮大工養成塾の取材のため薬師寺に訪れると、若い塾生たちは忙しい中気持ちのいい挨拶をしてくれました。その中でも、ひときわ若さの目立つ青年が今回取材を受けてくれることに。その青年の名は下田くん。下田くんは現在16歳で高校に通っているとすれば1年生の代になります。しかし、その若さからは想像できないアツい想いを語ってくれました。

宮大工養成塾に入ったキッカケ

刃物研ぎ
刃物を研ぐ

下田くんが宮大工養成塾に入るきっかけは幼少期にありました。下田くんの母親はお城が好きで、小さい頃からよくお城に連れて行ってもらっていたようです。

そんなある日、木組みの模型を見た下田くんは「この仕事をしたい!」と両親に伝えます。

この時のことを下田くんは覚えていないようですが、その想いは彼の中にずっとあり、小学4年生の頃に宮大工になることを決意します。しかし、宮大工になるためには弟子入りする必要があるのですが、まだ中学生の頃には「知らない子は雇えない」と弟子入りすることができませんでした。

そんな時、宮大工養成塾を経営している金田さんと出会います。

金田さんと三者面談を行い、宮大工養成塾の存在を知った下田くんはすぐにでも宮大工養成塾に入りたいと考えるようになります。しかし、当時中学1年生で東京に住んでいた下田くんは3年間待たなければなりませんでした。そんな中でも早く一人前の宮大工になるため、下田くんは夏休みや冬休みになると遊びは後回しで関西にある宮大工養成塾に来て技術を学んだようです。

この期間を経て、中学を卒業した下田くんは16歳ながら単身関西に乗り込み、宮大工養成塾に入ることになります。下田くんは当時を振り返って「中学3年間待った分今学べていることが嬉しくてたまらない」と話していました。

そんな話をしていた下田くんの目は、輝いていました。

ライターの私も、夢をまっすぐ追いかけることのかっこよさを改めて感じさせられました。

宮大工養成塾での生活

刻みに没頭する

次に下田くんは、宮大工養成塾の生活についてお話してくれました。

宮大工養成塾での生活は全て宮大工になるための行動に過ぎません。携帯はガラケーのみを支給されていたり、休息日も遊びの時間ではなく次の日の仕事のための休息日だと下田くんは言います。

一見「高校生にしてはキツイ生活なのでは?」と思ってしまいましたが、下田くんは「寮にいてもやることはないので」と一蹴。さらに下田くんは「それよりも早くもっと仕事をしたい」と野心を燃やしています。

このように、宮大工になりたい青年からすると、自分たちのための生活なのです。そして、そんな生徒たちのために宮大工養成塾の「職人の心得」には宮大工になるための指針が示されています。

「職人の心得」によれば、宮大工としての技術を向上するためには、実戦の仕事をする必要があり、その仕事を与えられるために「人として認められる」必要があるのです。そのため、礼儀礼節の基礎を学び、人として成長することが必要となります。下田くんは現在宮大工養成塾1年生です。そのため、同期と先輩との競争に勝たなければ、良い仕事を貰えません。

しかし、下田くんは生活を頑張っていたため金田さんからチャンスとして仕事を与えられていました。「この仕事を手放してたまるか」そんな想いが仕事をしている様子から伝わります。

宮大工養成塾に入ってよかったこと

下田くんに宮大工養成塾に入ってよかったことを聞くと、

「実戦で学べるのが一番良かった」

と話してくれました。

調べてみると、宮大工になるためには厳しい内弟子制度を10年間行わなければならず、その殆どの時間を雑用などで過ごすため、弟子入り当初は実戦の仕事を全く行えません。しかし、宮大工養成塾は1年目から実戦で学ぶことができ、「職人の心得」に基づいた生活を行えば、認められてどんどん実戦を与えられるようです。そのため、宮大工としてだけでなく、人としても成長することができます。

下田くんは朝4時に起きていると話していました。

「自分が朝弱いから前もって起きるようにしている」と話していたのですが、自分から苦手なことに立ち向かえることは簡単ではないでしょう。「一人前の宮大工になりたい!」という夢のため努力する彼の心はすでに「一人前」なのかもしれません。

伝統を守るために

さて、今回は宮大工養成塾の1年生である下田くんのインタビューから記事を書きました。しかし、昨今では若手の宮大工は減少傾向にあります。このまま減少が進むと、神社仏閣は維持することができず、日本の伝統は消滅の危機に迫られるでしょう。

そんな深刻な問題に立ち向かう宮大工養成塾とその若い塾生たち。彼らの伝統を守るアツい想いに心を打たれた私は今後も応援しようと感じました。

宮大工ライター

記事作成

ライター:土井龍弥

大阪教育大学卒、小学校教員を経て、尼崎で学習塾Learning Methodを開業。得意分野:教育・健康・転職・エンタメ

宮大工体験実施中

現在、宮大工養成塾では、大阪本校・兵庫校・神奈川校にて宮大工体験を実施しております。宮大工体験について詳しく知りたい方や宮大工体験を申し込みしてみたい方は、ホームページをご覧ください。