目次
私がいいたいのは、宮大工というは何も大工の上位互換ではないという事。そして、聖人君主でもありません。酒が好きで、ギャンブルが好きで、女が好きで、どうしようもない人も結構います。木が好きで、大工道具が好きでといった物好きの一人の人間であるということ。この仕事を選ぶ人は、えらい癖を持っていて、自由人で自己中な人間といっても大袈裟ではありません。ただ一つ言える事は、そんな癖が凄い人間が創り出す建物というのは、工業製品では表せないアジがある。個性と個性がぶつかり合う中で、我々が共通しているゴールは、建物を造るという事のみ。たった一つの共通のゴールを目指して団結する唯一の協調性。私たちには、これしかないんです。