一般社団法人 宮大工養成塾

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第4章鉋教訓第3節応用編:裏甲の捻じ上げの理論と加工方法について

2023.08.10

今回は、裏甲の捻じ上げ部分の理論と加工方法について解説していきます。本編では、捻じ上げがある箇所やなぜ捻じ上げが必要なのか?という点についても触れて、捻じ上げの必要性についても言及しきますので、技術講座のサブスク(3000円/月)にお申込み下さい。他の講座も月額3000円で見放題なので、良かったらどうぞ!!

捻じ上げがある場所

捻じ上げは、縋る破風上の裏甲や切妻屋根の留先で発生しますが、捻じ上がりの姿は、軒が軽快に見えるので意匠性もあるため、捻じ上げが必要のない部分でも反り上がりを更に演出するために、普通の裏甲反りに加えて捻じ上げを行う場合もあります。

捻じ上げがない切妻屋根もある

本丸御殿浴室

これは、将軍が入るお風呂(サウナのようなもの)になりますが、軒裏甲勾配と妻の裏甲が留先に入る角度が一致しているため、捻じ上げをする必要がありません。

切妻屋根における捻じ上げの必要性

切妻屋根で反りがある場合に捻じれが発生します。詳しくは、原寸で教えないとわからないと思いますが、破風板上端の曲線の延長線上に軒裏甲の下端がくれば、綺麗な破風板の線なります。しかし、捻じ上げをしないと破風尻で腰が折れたようになってしまうので、綺麗に納めるのであれば、捻じ上げは必須となります。または、破風尻の上端の曲線の勾配を軒裏甲の勾配と合わせる方法もありますが、破風板の意匠が制限されてしまいますので、あまり良い形にならないかと思います。