鋸教訓へようこそ。今は丸鋸やレシプロソーといった電動工具が便利な時代ですが、手鋸が上手な人は電動工具を使っても上手です。電動工具が入らない場所や届かない時などには、今でも手鋸を使います。この鋸を上手に使えると鑿・鉋を消耗させずに仕事ができるメリットがあります。刻みにおいて、鋸は「荒取の王様」といっても過言ではありません。この教訓では、鋸の基礎的な理論や練習方法について解説していきます。
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木材を切断するために使う道具になります。鑿・鉋を使う前に、荒取りなどの成形として使う場合が多く、この鋸の精度が高いと鑿・鉋の作業が楽になります。現在は、電動工具の丸のこなどが普及し、手鋸を使う事がすくなくなりましたが、機械では届かない箇所や機械が使えない所では、重宝しますので、完全に要らなくなったものではありません。特に修復現場においては、鋸が活躍する機会が多いので、基本的な所はマスターしましょう
鋸は、大きく分けると、縦引きと横引きがあります。共に片刃です。これが1つの鋸に合わさっている2in1の鋸を両刃鋸と言います。刃の長さが1尺(30cm)のものが使いやすいと思いますが、1尺のものは目が粗いんで、細かい作業をする時は、7寸目などの短い鋸を使いましょう。より精密な細かい作業をする場合は、胴付鋸といって鋸の厚みが限りなく薄く、補強でフレームがはいっているものがあります。色んな鋸がありますが、用途によって開発されていますので、興味のある方は、御自身でお調べ下さい。今回は、基本的な鋸について解説していきます。
木材を直角に切断する時に使う鋸
木材を繊維方向に沿って切断する時に使う鋸
横挽きと縦挽きの刃が両側に付いているタイプの鋸
鋸が薄く刃が細かい鋸。薄いので補強でフレームが付いている造作の敷居・鴨居・廻縁などの細かい作業や細工仕事に使う
日本の鋸の大きな特徴は、引いて使う事です。海外鋸は、押して使うものが多いと言われています。
鋸には刃先は左右にアサリといって屑が詰らないように加工されているので、実際の鋸の厚みよりも大きく鋸溝が付くので注意しましょう。
1尺目、7寸目、2寸角の木材(杉または桧)の一等材(節あり)
指金を使って墨をぐるりと回しましょう。指金を使う時、指金は完全な直角ではなので、1周すると誤差がでます。誤差がでないように、2面墨を付けたらば反対方向に墨を付けて、帳尻があうようにしましょう。
深さ1ミリ程度の溝を4面挽きましょう。木材の奥側から手間に向けて挽いて溝を付けましょう。この溝を付ける事で、途中で鋸が曲がって墨をオーバーする事を防ぐ事ができます。
溝に従って角から鋸をいれていきましょう。鋸を使う時のポイントは、見えている所を切るという事です。よくある失敗としては、見えていない所を切り進めて墨をオーバーしてしまってミスしてしまいます。