本殿とは、神様が御鎮座する建物になり、多くの場合は拝殿の後方に配置される事が多いですが、大神神社のように本殿を持たない神社もあります。そんな本殿建築には伊勢神宮の神明造り、春日大社の春日造りといったように建築様式が存在し、その名称を聞けばどのような建物であるかを知る事が出来ます。挙げ出すとキリがないので、代表的な本殿形式について紹介していこうと思います。
コラム1
建物の入口を表す表現として妻入り・平入りという言い方があります。これは、切妻屋根の建物のおいて軒先に出入り口がある場合を平入りといい、その左右である切妻屋根のハの字の破風板がついている側に出入り口がある場合を妻入りといいます。同じ屋根の建物であっても、神明造りは平入りで大社造りは妻入りになりますので、平入りグループと妻入りグループに分類することが可能になります。
神明造・流造・大社造・住吉造・大鳥造・春日造・日吉造・吉備津造・浅間造・中山造・八幡造・権現造・香椎造など
伊勢神宮の社は正殿と呼び、それ以外の伊勢系列の神社では社を本殿と呼びます。これは、神宮とそれ以外を分けた考え方で、同じ神明造であっても神宮の神明造は、「唯一神明造り」といって神宮のみにしか許されていない形式になります。通常の神明造というのは、掘立柱式にしない、屋根は銅板、据玉は置かない、勝男木の本数を減らすなどの意図的に神宮と同じようにならないように配慮がされています。