仕事の良し悪しは、段取りでほぼ決まるとという職人の言葉。事前にいかに計画し、準備する事が必要であるかという事を説いています。
宮大工の世界では、段取りは最も大切な作業になります。段取りは、様々なカテゴリーに分類されますが、基本的なプロセスは同じで、「計画して、準備する」だけです。それでは段取りを学ぶ方法を解説していきます。
まず、大きな仕事はさせてもらえませんので、小さな仕事をいかに確実に成功させて、小さな成功から大きな仕事をゲットして、成功させるか?にあります。その小さな仕事のひとつが食事作りになります。
まずは、1週間の献立を考えて、それに必要な具材の買い出し表を作ります。例えば、豚の生姜焼きをつくるのであれば、豚・生姜・アスパラガス・玉ねぎなど一人当たり必要な分量に必要人数をかけて、何をどれくらい買えばよいのかが分かります。それを1週間分書き出して、買い出しは、2日分程度を買い出し予定にして、買い物に行きます。そして買い出し表に基づいて買い出しをするだけですが、買い出し表が汚なかったり、見にくいと、スーパーの食材エリアを行ったり来たりすることになるので、時間がかかります。そこで、スーパーの配置を理解し、買い出し表を作る時に、野菜・肉・豆腐練り物類などを分けて書いておくと、最短で買い出しを終える事ができます。これも最短で買い出しができる段取りなのです^^遅い人は、スーパーに1時間くらいいる人もいますが、最短の買い出しだと、5分程度で終わります。あなたが仕事を振る立場の場合、どちらに仕事をふりますか?(笑)
次に、買い出しが終われば、次の日の食事の仕込みにをします。朝に朝食とお弁当の準備・夜は30分で食事を調理して、配膳まで終わらないといけないので、仕込み作業が大切になります。仕込みをしていない人は、時間内に終わらないか手抜き料理になるため、周囲からの信頼が低下するので、仕込みには必須の作業になります。先ほどの豚のショウガ焼きを作るのであれば、野菜類のカット、豚の下処理及び味付けなどの仕込みをする必要があります。次の日は、仕込みをしているものを順番通りに調理するだけなので、カット作業などはしなくて良いため、調理と配膳の時間しかからないので、時間内に食事を作ることができます。仕込み作業をする時も、野菜などからカットし、肉類は後にすると、まな板と包丁を水洗いするだけで良いので手間がかかりません。これも仕込みを早く終わらせるための段取りのひとつです。肉から切っている人は、洗剤で一度洗わないといけないため、時間がかかります。同じことをしても段取りひとつで掛かる時間が格段に変わるのです。あと、調味料も先に調合できるのであれば、やっておいた方が、良いです。お料理のテレビなどでは全て事前に用意されていますよね。
さて、調理と配膳ですが、その前に何をどの順番で調理し、どのように配膳するかをシュミレーションしておく必要があります。そこで、どこに何があるか把握しておく事となんならやりやすいように準備しておくのも良いかもしれません。それができれば、調理中に本を読んだりする必要はなく、最短で調理をし、配膳をする事ができます。時間内にできるようになれば、配膳するタイミングなども重要になってくるので、その当たりも考えましょう。たとえば、冬だと汁物とご飯が冷たいと嫌ですよね。となると、食事の準備ができた事を伝えていった後に、すぐに戻り、みんなが到着するまでにささっと配膳をすると温かいものを食べる事ができます。これも品質を向上させるための段取りの一つです。
このように段取りとは、早く良いものをつくるために必須の作業になります。早くおいしい食事を提供できる事が宮大工を目指す卵に、まずは求められるスキルになります。もうお分かりでじょうが、食事作りの段取りの中には、「考える」という事なくしては、出来ないのです。「考える」を鍛えるためには、素晴らしい実践型教育になっています。「あぁ、食事当番がめんどくさい、適当に献立考えて、必要なやつ買い出しして、当日にすればいいか」っていう人は、何も学んでいません。同じ事をやっていても、「俺は、みんなに美味しいものを食べてもらって、出来る自分をアピールするためにも、早くおいしいものをつくるために段取りをちゃんとできる事を証明する」っていう人は、「考える」という作業が伴っていますので、どんどん成長していきます。そして、上の人も、そういう所をみているので、後者は、応援してもらえるようになり、小さな仕事を与えられていき、成功へのプロセスを歩んでいきやすくなります。
食事作りができない子は、段取りができていない子です。そして、自己中心的で相手を思いやる気持ちもありません。自分が優先なので、面倒と思うわけです。そんな子は、仕事もできません。仕事も同じように段取りが必要なわけです。仕事の段取りはできるのに食事作りの段取りができる人は見た事はありません。食事作りの段取りと同じで、仕事の段取りもいい加減なものです。そうすれば、道具の準備すらできてないし、仕事をする順番も行き当たりばったりで、仕事がうまくいくはずがありません。なので、大きな仕事をさせてもらえるわけがありません。逆に、食事作りをしっかりとできる子は、仕事の段取りもしっかりとしていて、着実に仕事をこなします。なぜならば、段取り(考える)という能力をもっているからです。
「見て盗む」というスキルを身に着けるためには、段取り(考える)というスキルがベースになるので、必須となります。宮大工が成長するために必要な「見て盗む」については、またの機会に解説したいと思います。